【工程表作成のコツ】現場をスムーズに進行させるための3つのステップ

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今回のテーマは「工程表を得意になるためにすべきこと」。工程表は、現場をスムーズに進行させるための“地図”のようなもの。このスキルをマスターすることで、仕事が一気に楽しく、効率的になります。

前回の動画で「工程表って楽しいんですよ」「美しいんですよ」と語りましたが、今回はその続編。

工程表を作り上げるための最短ルートと、日々の訓練方法を具体的にシェアしていきます。この記事を読むことで、どんな現場でも自信を持って工程表を作成し、現場をしっかりコントロールできるスキルが身につきますよ!

工程表は、一枚の紙で現場全体を管理できる、現場監督の知識と経験が詰まった“芸術作品”です。これをマスターすれば、仕事がただの作業から「自分が現場を動かしている」という充実感に変わります。

「現場があまり楽しくない…」「工程表を書くのが苦手…」と感じている方も安心してください。この記事では、そんな不安を解消し、工程表作りを楽しみに変えるための具体的なステップを3つご紹介します。これを押さえるだけで、仕事が驚くほど楽しくなるはずです。

では、さっそく「工程表作成のコツ」についてお話ししましょう。この3つのポイントを意識するだけで、あなたも工程表の達人になれますよ!ぜひ最後までお付き合いください

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

工程表作成のステップ1:イメージ力を鍛えよう

さあ、工程表作成の最初のステップに進んでいきましょう。それは「イメージ力を養う」ということです。現場での工程表を描くには、頭の中で現場を鮮明にイメージする力が不可欠です。現場は設計図をもとに、職人さんたちと協力して計画通りに作業を進め、無事に工期を終えるための大きなプロセスが動いています。このプロセスを紙上で表現するためには、リアルな現場の状況をしっかりとイメージし、そのイメージを線で表現できるようになることが大切です。

例えば、掘削の工程を考えるとしましょう。現場の掘削の状態を頭に浮かべ、「この作業がどのように進んでいくのか」を具体的に思い描けなければ、正確な工程表を描くことは難しいですよね。このように、現場の進行をイメージする力を高めることが、工程表作成の基礎となります。

では、イメージ力を鍛えるためには、何に注目すべきでしょうか?まず大切なのは、職人さんの動きをしっかり観察することです。職人さんがどんな作業をしているのか、その作業がどれほど大変かを理解することで、工程表に血が通った線が引けるようになります。単なる線ではなく、リアルな現場を反映した、実感のある線です。

また、全体を俯瞰することも重要です。職人さん個々の作業だけでなく、現場全体の動きを見渡し、大きな作業の流れがどのように進んでいくのかを観察しましょう。たとえば、鉄筋工事なら、鉄筋の搬入から配置、基礎配筋の工程まで、全体の流れを把握することが必要です。このように全体を観察し続けることで、「基礎配筋」という言葉を聞くだけで、どんな作業が行われるのかが自然とイメージできるようになります。

最後に、現場の観察を繰り返すことで、工程表を作成するための準備が整います。右側に人が偏っているような状況など、無駄を省き、美しい工程表を作成するために、現場全体をしっかりとイメージし、観察と記憶を重ねていきましょう。

これが工程表作成の第一ステップ、「イメージ力を養う」ということです。しっかりと観察し、記録することを習慣化すれば、確実に工程表作成のスキルが向上しますよ。

工程表作成のステップ2:地道なデータ取りを忘れずに

次に進むステップは、「地道なデータ取りを忘れずに」ということです。イメージ力を鍛えたら、次に必要なのは現場でのデータをしっかりと収集し、それを活用することです。

まず、職人さんの動きや大きな作業の流れをつかんだら、それに「時間軸」を加えて考えることが重要です。工程表は、ただの線と文字だけではなく、現場での時間の流れも反映させなければなりません。「どこで何をするのか」「どのくらいの人数でどのくらいの時間がかかるのか」を、データに基づいてリアルに想像できるようになることが大切です。

例えば、鉄筋工事の工程を考えるとき、どれだけの作業がどのくらいの人数で何日で終わるのかを考える必要があります。そのためには、安全日誌や過去のデータをしっかり見直し、「この広さなら何日で終わる」「何人必要だ」といった具体的な数値を頭に入れておくことが重要です。これにより、現実的な日数を割り出し、無理のない工程表を作成することができるようになります。

また、工事全体の平米数を基に、一人当たりの作業量を計算し、日数や人数を割り出すスキルも必要です。例えば、鉄筋の総量から、一人の職人さんが1日にどれだけの作業をこなせるか、機械が1日でどれだけの土量を掘削できるかといったデータを集め、積み上げていきます。このようなデータをしっかりと蓄積することで、工程表を作成する際の判断がスムーズになります。

特に若手のうちは、「面倒くさい」と感じることもあるかもしれませんが、このデータが後に大きな財産となります。例えば、大規模な足場を組む際にも、データに基づいて必要な人数や日数を計算し、「この会社なら5日で終わるな」といった具体的な計画が立てられるようになります。そして、その結果として無理のない工程表を作成し、必要な場合には上司や取引先と交渉する材料にもなるのです。

このように、一本一本の線をデータに基づいて引いていくことが、しっかりとした工程表を作るための鍵となります。だからこそ、2つ目のステップとして、「地道なデータ取りを忘れずに行いましょう」ということが重要なのです。コツコツとデータを積み重ねていくことで、現場での決断力や計画力が格段に向上しますよ。

工程表作成のステップ3:工種の特性をしっかり理解しよう

さて、最後のステップに進みましょう。「工種の特性を理解する」ことが、工程表作成の最も重要で、時には難しいポイントです。この部分は少し抽象的に感じるかもしれませんが、非常に重要なスキルです。

まず、前回までに「イメージ力を養うこと」や「地道なデータ取りの重要性」についてお話ししました。これらは工程表作成の土台となるスキルです。しかし、どれだけデータやイメージを駆使しても、工種ごとの特性を理解していなければ、正確な工程表を作成することはできません。

たとえば、モルタルを使った左官作業を考えてみましょう。モルタルを練って壁に塗る作業は、一見すると「何平米を一日で終わらせる」と計算できそうですが、実際にはモルタルが固まるまでの時間が必要です。同様に、塗装作業も一度塗っただけでは終わらず、何度も重ね塗りをしなければなりません。ここで重要なのは、いくら人数を増やしても、時間を短縮できない作業が存在するということです。これらの「水物」と呼ばれる工種では、工程を無理に詰めることはできません。

さらに、防水工事やコンクリート打設などの作業も同様です。どれだけ多くの職人さんを投入しても、乾燥や硬化といった自然のプロセスは避けられません。このような特性を理解していないと、無理な工程を組んでしまい、結果として品質を落としてしまう可能性があります。

だからこそ、工程表を作成する際には、その工種の特性をしっかりと理解し、「押し引き」を見極めることが必要です。この「押し引き」とは、人手を増やすことで時間を短縮できる作業と、どれだけ努力しても短縮できない作業を見分けることです。これができるようになると、現場が無理なく、しかし緊張感を保ちながらスムーズに進行する工程表が描けるようになります。

この知識を身につけるための最良の方法は、工事写真と施工計画書を活用することです。工事写真を見ながら、各作業の進行を学び、「ここは急げない」「ここは効率よく進められる」といった感覚を養うことで、自然と工種の特性を理解できるようになります。

まとめ:美しい工程表を作成するためのポイント

今回は、工程表を上手に組むために重要な三つのポイントについてお話ししましたが、いかがでしたか?工程表というのは、現場監督にとって非常に強力なツールであり、現場全体をコントロールするための鍵となるものです。

現場監督が描く工程表には、ただの計画以上の力があります。それは、職人さんや業者さんがその指示に従い、スムーズに作業を進めるための道しるべだからです。しかし、この力を誤って使えば、知らず知らずのうちに無理を強いたり、品質を落としてしまうリスクもあります。だからこそ、適切な知識と経験を積み重ね、現場を観察しながら、正確で実現可能な工程表を作成することが求められます。

まずは、「イメージ力を養うこと」。現場の動きを頭の中でシミュレートし、線と文字で表現する力が必要です。次に、「地道なデータ取りを怠らないこと」。正確な数値やデータに基づいて計画を立てることで、無理のない工程を引くことができます。そして最後に、「工種の特性を理解すること」。作業ごとの特性を理解し、どの部分に時間がかかるか、どこで手を抜けないかを見極めることが重要です。

これら三つのポイントを押さえることで、誰もが安心して進められる工程表が描けるようになります。現場での経験を積み重ね、先輩たちの工程表を参考にしながら、少しずつ自分のスタイルを確立していきましょう。そうすることで、あなたも誰よりも早く、そして美しく効率的な工程表を作成できるようになります。

最終的には、この努力があなたを現場のリーダーへと成長させ、信頼される存在にしてくれるはずです。長い目で見れば、このスキルが現場を成功に導き、職人さんや上司からの信頼を勝ち得るための大きな武器になるでしょう。

ということで、「工程表が得意になるために学ぶべきこと」をまとめさせていただきました。最初は難しく感じるかもしれませんが、一歩ずつ確実に進んでいきましょう。1週間後の未来を自分で描く力をつけることから始めてみてください。それができれば、次は1ヶ月、1年と、さらに大きなスケールで未来をデザインすることができるようになります。自分の力で現場を動かし、成功へと導く現場監督を目指して、頑張ってください!

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