
GENBA LAb.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。
「建設業は伸び悩んでいる」と思い、2020年8月に会社を辞めて独立起業しました。建設業界全体の後方支援をしていきます。
- 建設業のデジタル化
- 生産性を上げる方法
- 部下の育て方
- 先輩や職人との接し方
- 図面の読み方
- 悩みの解決法
などなど、主に、現場監督目線での配信になります。 上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!
失敗するとやるべきことが増えます

皆さんの会社では失敗はありますか?
失敗が起きたときに会社は失敗や事故を二度と起こさないように再発防止策を練るのは至極当然な話なのです。
何か事故が起きたり、失敗事例があった時にはその失敗に対する防止策として書類を増やしたり、もしくはチェックを増やしたりします。その時にチェックリストを作ったり、書類を増やしてみたり、作業が終わった後に“無事に終わりました”という報告書を増やしてみたりしますよね。
この考え方は間違ってはいないのですが、やること増えた分の副作用は何なのかを考えてもらいたいのです。
当たり前にやるということを疑いましょう

事故や失敗が起きてしまった後には必ずその原因をしっかりと突き止め、再発防止策はどういうものがあるのかと考えると思います。再発防止の作戦については、やる前にチェックリストを使用しチェックすることや書類を必ず報告書として提出するということが多いのではないでしょうか。
当然そのような策を講じた結果、その事故が未然に防がれるのであればその手立ては間違っていなかったということになります。
これはどこの会社でも必ずやっている再発防止策であり、どこの会社でもやっているということはある一定の効果があるからです。ただし、どこもやっているから自分のところもやると安易に考えているのだとしたらそれは危険です。
特にこの建設業・現場監督業・ゼネコンというこの職種だからこそ、もう一度考え直した方がいいと思います。
資源はどれも限りがあります

何か事を起こそうと思えばそこにはお金がかかります。そして人手がかかります。これらの資源が有限であることは当たり前です。そして、もう一つ有限かつ重要な資源が時間なのです。タイムイズマネーというように時間という資源は限りのあるものです。
少なくとも一般的な企業で考えると必ず1日8時間が基本という規則があるところがほとんどだと思います。なおかつ最近は週休2日という流れもでき、時間というのはものすごく有効に使わなければいけないわけなのです。
ただしこの建設業・ゼネコンと呼ばれる現場監督業についてはブラックに時間を使ってしまっているというような会社がまだまだたくさん存在しています。
ルールを増やすことで犠牲になることとは何かを考えましょう

時間が間に合ってない・仕事量が多すぎて全然こなすことができないような状況になっているのであれば、
- 効率化を図る
- デジタル化を図る
- 人的資源を増やす
これらの作戦を取り入れているはずだと思います。
それでは、なぜ仕事が増える状況になっているのか考えると、おそらく過去の失敗事例からきていると思うのです。
- 失敗が起きる度に書類が増え、チェックが増えた
- 失敗が起きる度に書類が増えて時間と仕事が増えた

他社で起きた失敗をうちはやらないようにしなければならない。だから防止策としてチェック項目を増やそう!
このようにして雪だるま式に書類が増えていき、本来は手で書かなければいけなかった施工図がデジタル化し圧倒的に時間短縮されたはずなのに、何故か最近の仕事量は増えているということになるのです。
また、建設業はもう何十年も何百年も培われてきた安全のノウハウというものがあり、そもそもやらなければいけないルールがたくさんあります。そのルールを全うするだけでもかなりの容量になっています。
そこに会社のルールや社風で先輩から受け継いできたものを上乗せします。更には、失敗しないためのチェックリストなどを増やしたりします。
事故を起こしたというわけではなく、事故を起こした人が他にいるから思考停止で無駄な再発防止策を導入しているということもあります。
何かを増やしたら何かにそのしわ寄せがくるという事に気付いてください。
ルールを増やせば品質が落ちます。これは100%正しい理屈ではないかもしれません。
必ずしも減っているものが品質とは限らないのです。
安全を削っているかもしれません。
自分のプライベートの時間を削っているかもしれません。
自分の遊びという時間を削っているかもしれないのです。
時間は皆さん平等に与えられています。
何かを増やすなら何かを減らしましょう。もしくは何かを削りましょう。
バランスが大切なのです。
まとめ=バランスを考えた運営をお願いします

ルールを増やすということは会社・企業としての防衛策や品質の向上、失敗があるということはその裏側には必ず成功があるので企業を大きくするためには失敗という土台は非常に重要なのです。それにおいてどんどん企業というのは創意工夫をしながら大きくなっていくものだとは思います。
必ず新しいものを取り入れるならば古いものは捨てていく、もしくは古いものはやらなくても大丈夫な状況にする。もしくは全体を圧縮するという風にして全体の仕事量を減らせるような方法に向けながら、新しい要素を取り入れるという方法を頭で考えて欲しいです。
ただ闇雲に仕事を増やしていったところで減っていくのは時間であり、その時間が膨大になりすぎると今度は人材が減っていくことになりますので、当然お金も失われていきます。
せっかく育ってくれた人たちに費やした時間もお金も全て0に戻ってしまうということにもなりかねません。ただ一つのルールを増やしたことにより、人材とお金を流出してしまったということになってしまいます。
そういうことにならないようにするためにもまずはルールを増やすべきかをしっかり考える。そして増やすなら品質を落とさない戦略を考える。このように全体のバランスを考えた運営をしていただければなと思います。