本記事では働き方改革の実例【現場のライブ配信】について紹介します。
- 初期導入コスト:200,000円程度
- 必要なもの:YouTube設定、Webカメラ、モニター、パソコンリース
- 時間:削減は特になし
- コスト:200,000円程度増
これ単体での削減効果はありませんが、他の施策を支える重要な要素の一つです。現場を確認できるようなWEBカメラを設置し、ライブ映像としてネット配信する方法です。
基礎や躯体の工事を進めているうちは屋外のカメラだけで稼働し、内外装が始まってきた段階で屋内にもカメラを設置することが理想です。
よく「何のために配信するの?」という質問がきます。この施策の本質は、いつでもどこでも現地の状況が確認できるという「情報量」にあります。
今回は、【現場のライブ配信】について、基本的な使い方とメリットやデメリット、そして応用的な使い方までお話していきます。
導入の基本

WEBカメラは一般のカメラとは違い、配信専用のものとして売っています。方法は2つあり、YouTubeの限定配信や専用サービスを利用する方法と、カメラそのものにURLがあるものを利用する方法があります。
おすすめはYouTubeを使った配信。ただ、通信が止まったりするたびにURLが変更されるのが難点ですが、無料は強み。有料サービスは非常に高価ですので試験導入にはむきませんが、価値がわかった段階で切り替えるのもよいと思います。
屋外では現場全体が見渡せる場所に設置し、内部は出入口や主要室に設置。目的は「なんとなく現場の状況がわかる」こと。現場を細かく確認する必要はないのです。
メリット
➀現場でも出先でも、どこにいても現場の進捗を確認できる
②施主や監理も見ることができ安心感を与えられる
③職人さんが入るタイミングを、職人さん自ら確認ができる
④会社や遠方からの遠隔管理や、上司の状況確認に役立つ
⑤搬入や進捗がわかり、現場事務所から現場に行く回数を減らすことができる
デメリット
➀施主によっては公開を嫌うため、限定公開などの設定を知っておく必要がある
②職人同士で勝手に広め、予期せぬトラブルもあり得る
③整理整頓をしっかりしないと、いらぬクレームがくることもある
④見てもらうための周知方法を工夫しないと、誰も見られなくなる
応用的な活用方法
・少し未熟な責任者のために、先輩が現場をフォローすることができるのもおすすめ
・自分が休みの間のトラブルも、現地を見ながら電話で応対できる
・今後紹介する、リモート管理やホームページ活用、オンライン事務などと連携することで、より幅広い活用を見込むことができる。
・施主のホームページに掲載することもでき、イメージアップにつながる
ポイントとまとめ

例えボヤっとしかわからなかったとしても、WEBカメラからの情報量は非常に多いことに気が付きます。どのくらい進んでいるのか、どんな工事をやっているのか。どこに人が集中しているのか。また搬入やクレーンの配置などを明確にキャッチできるのが良いをかんじました。
また現場事務所で常に表示しておくと、気付かないうちに目線を向けており、現場に行く頻度はかなり下がる印象です。忙しい施主や設計ともコミュニケーションを図りやすく、きちんと周知されていれば、非常に有効な情報共有に使えると考えます。
ただ、明確な目的なしに設置したとしてもあまり効果は得られません。一つでもいいので、明確な目的を共有し、その上でそれ以外の方法を模索していくのが大切。無駄使いにならずに済み、上司にも報告をしやすくなります。
「現地にいかずに現場を確認したい人は誰か、どんな場面か」をイメージすると、明確なビジョンが生まれやすいと思います。現場のためというよりも、現場以外の人への便利ツールととらえるのがわかりやすいと考えます。