【建設DX/働き方改革の事例】安全書類のクラウド化

本記事では、現場ラボが行った現場の働き方改革11の施策の中の事例【安全書類のクラウド化】について紹介します。

施策の概要
  • 導入コスト:70,000円程度
  • 必要なもの:Evernoteアカウント、閲覧用タブレット、スキャナー
  • 時間:80時間の削減
  • コスト:170,000円程度の削減

現在、安全書類のクラウド化は進んできています。現場ごとに膨大な量の紙を提出しなければ入場すらできないという、非効率な状況をテクノロジーでカバーしようという取り組みです。グリーンサイト、グリーンファイルが有名どころ。

でも、安全書類はそれだけじゃありません。毎日の工事安全日誌、KY活動記録、新規入場者記録、各作業計画書などなど。毎日毎日積みあがっていく書類はたくさんあります。そしてこれにインデックスを貼ったり、綴じたり、整理したり・・・この業務はかなりの手間。

事故が起きることを想定した大切な書類ですが、多くの現場は無事故であり、無駄書類になります。これをもっと軽やかにできないものかと考えたのです。

今回は【安全書類のクラウド化】について、導入の基本とメリットやデメリット、そして応用的な使い方までお話していきます。

目次

導入の基本

書き込み、チェックし、整理し、綴じておく。時には安全掲示板に掲示したりもします。大切なことは、本人たちが記載すること、チェックをすること、いつでも閲覧できる状態にすることが本質。それを叶えるための施策なのです。

最初のハードルは書類のデータ化。職人さんに直接タブレットに書く方法を考えました。ですが、操作方法を教える手間が増えます。なのでここは変えず紙に記載してもらいました。その代わり、次に提出するのではなく「スキャンする」という方法をとってもらいます。

ボタンを押すだけのスキャナーを設置し、保存先をクラウドにするだけでデータ化が完了。僕らは何もしません。そこにあるのはルールだけ。そして一度データにすることができたなら、だれでもどこからでも整理ができます。

整理をした安全書類データを閲覧する方法として、Evernoteというアプリを選定しました。それぞれのファイルに業者名、日付、種類の「タグ」を付けられるのが便利だからで、信頼性も高いからです。

「〇月〇日」や「××という業者」といったキーワードですぐにその書類を見ることができます。パトロールもこれでOK。でもそんなめんどくさいこと誰がやるのかって?それは、オンライン事務、もしくは会社の事務です。相性もばっちりです。

メリット

  • 書類を整理する手間が減る
  • 必要な書類をすぐに検索することができる
  • データ上でチェックすることが可能
  • プライバシー情報はすぐ消すこともできる

デメリット

  • 自分たちでやるのは逆に手間がかかる可能性もある
  • アプリの操作を知っている人間が必要
  • タブレットの性能によって表示に時間がかかることがある

応用的な活用方法

・朝礼後の大型モニターにKY、作業計画などを掲示することも簡単
・安全日誌をスキャンすることで、オンライン事務に月報を作成してもらうことも可能
・後で歩掛を取るときにも検索がとても簡単になる
・書類のパトロールは現場に行かなくてもでき、本社でのダブルチェックができる

ポイントとまとめ

結局のところ、いかに簡単に安全書類をデータにするのかがキーワード。職人さんの中には、タブレットなどに拒否反応を示す人も少なくないのですから。できるだけ今まで通りでよく、気が付いたらデータになっていた。これが理想です。

一度データにすることができれば、パソコン上でいかようにでもできるのが一番の魅力。ただ、気を付けなければいけないのは、「個人情報」の扱いです。例えば新規入場者の記録は立派な個人情報。むやみに手を広げると思わぬトラブルにつながります。しっかりと会社でルールを決めておきましょう。

活用方法は工夫によって無限に広がります。そして、現場が終わった後の処分も容易。かなり有用な方法になると言えるでしょう。

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