【建設業のDX&効率化対策】働き方改革を進めるゼネコン業務の改善施策【5選】

「業務効率化のための施策5選」の見出し画像

「朝早くから夜遅くまで、休む間もなく働いていない?」そんな建設業界の過酷な労働環境に心当たりはありませんか?2024年4月に残業規制がスタートし、建設会社にはいよいよ「本気の働き方改革」が求められる時期が到来しました。この変化の波を乗り越えるためには、これまでのやり方を見直し、効率化を進めていく必要があります。

今回は建設現場での豊富な経験を持つ私が、「業務を減らす5つの実践的方法」を具体的にお伝えします。これらを取り入れることで、無理なく業務量を減らし、効率的な働き方へとシフトしていくことが可能になります。そして、仕事時間の削減は単に自由時間を増やすだけでなく、若い世代にとって魅力的な職場を創り出し、働き方改革や法規制の遵守にもつながるのです。

この記事を読み進めることで、あなたは効率的な働き方を手に入れ、職場全体の生産性向上に貢献できるようになります。さあ、共に効率化の知識を深め、建設業界に新しい風を吹き込み、持続可能な働き方を築きましょう。

この記事を書いた人

腕組みをする運営者

株式会社 RaisePLAN 代表取締役

武田 祐樹(たけだ ひろき)

【これまでの活動】

  • 総合建設業に17年在職後、独立起業。
  • 建設現場の生産性向上支援や施工管理の教育支援を展開。
  • 中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家。
  • YouTube音声配信Instagramメールマガジンなどで情報発信を行い、電子書籍の出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動に積極的に取り組む。
  • 建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演(2023年3月)。
目次

①直接的な業務を減らす

直接的な業務を減らす

まず最初に取り組みたいのは、「直接的な業務を減らす」ことです。これは最もシンプルかつ効果的な方法で、今やっている業務を見直して、不要なものを削る作業です。

具体的には、日々の業務を棚卸しし、「やらなければいけない仕事」と「やらなくてもよい仕事」に分けていきます。施工管理の現場では、スケジュール管理、安全管理、人材管理などの多くの作業を日常的にこなしていますが、その中には伝統的に続けてきたために残っている「慣習的な業務」もあるかもしれません。たとえば、今では形骸化している書類作成や、実は必要のない会議が代表例です。

この棚卸しで重要なのは「この業務は本当に必要か?」「他の方法で代用できないか?」と問い直すことです。例えば、新人教育の一部を動画で共有できれば、指導時間を短縮し、他の重要業務に集中する時間を生み出せます。また、ITを活用してデータ入力や進捗管理を自動化することで、時間を大幅に削減できるでしょう。

このように業務を見直していくと、本来注力すべき仕事、つまり技術的な判断や現場の指導といった「核心業務」により集中できる環境が整います。直接的な業務を減らすことで、働く人が持っている専門性を最大限に発揮でき、結果として生産性も向上していきます。

②移動時間を減らす

移動時間を減らす

次に着目するのが「移動時間の削減」です。移動って、本当に気づかないうちに時間を消費してしまいます。たとえば、事務所から現場へ片道30分かけて往復していると、1時間が消えます。さらに、現場内でも事務所から作業場所までの移動で、片道5分が6回あれば1日で30分。この移動を毎日続けると、一つの工期でなんと300時間も取られていることに!

ここで重要なのは、移動時間をなくすためのITツール活用です。リモートワークやZoom会議の導入で、現場への移動を最小限にするだけでなく、移動せずにFaceTimeやLINEのビデオ通話を活用して、必要な現場確認が可能に。わざわざ足を運ぶ時間がなくなれば、その分をもっと生産的な仕事にあてられますよ!

③外注可能な業務を増やす

外注可能な業務を増やす

効率化をさらに進めるポイントは「外注化」。一度業務を見直すと、「これって自分でやらなくてもいいのでは?」と思うことが出てきますよね。

たとえば施工図の作成。施工図屋さんや専門の外注業者に依頼すれば、時間と手間が大幅に省けます。他にも、現場写真の整理や申請業務、書類作成など、実は外注が可能な部分は多いんです。

また、今はオンライン事務員サービスも充実していて、日々の業務をオンラインで補助してくれるところも増えています。これを活用することで、自分たちは現場の重要な確認作業やチェックだけに集中できるので、全体の業務が一気に楽になります。

1から10まで自分でやる時代は終わりです。ぜひ、外注化できるところを見つけて試してみてください!

④教育にかける時間を減らす

教育にかける時間を減らす

教育にかける時間を減らすこと」には、想像以上のインパクトがあります。とくに中小ゼネコンでは、新人教育や若手育成が現場任せになりがちで、現場管理者が日々の業務をこなしながら教えるのは大変な負担です。教育を一度でも担当したことがある方なら、教育の手間や時間のかかり具合に大きくうなずくはずです。

教育業務を専門に外注するのも、立派な業務効率化の方法です。鉄筋組みや壁紙貼りといった専門作業をプロに任せるように、初期教育もプロの手に委ねることで、教える負担を減らせます。今では動画やオンライン学習の選択肢も豊富にあり、eラーニングで基礎知識を身につけてもらうことで、現場での教育は「応用」に絞り、質を高められます。

たとえば「図面の読み方」や「基本的な用語」は、オンライン研修で学べる部分です。こうした基礎知識の習得をあらかじめ済ませておけば、現場ではより実践的な部分、つまり応用的な作業に集中して教えられるため、現場での教育時間を大幅に削減できます。

結果的に、教育を「基礎」から「応用」へとシフトできれば、新人たちが現場に出たときには当たり前の知識が備わり、職場全体の業務効率も飛躍的に向上します。ぜひこの「教育の効率化」に目を向けて、実際に使えるスキルに現場の力を集中させましょう!

⑤業務の方法自体を変える

業務の方法自体を変える

最後にご紹介するのは、「業務のやり方自体を変える」ためのDX(デジタルトランスフォーメーション)です。クラウド、AI、専用アプリなどを使って、これまでの方法を根本的に見直し、業務の効率化を一気に引き上げる方法です。

例えば、これまでは現場の安全書類や進捗写真をファイルで整理し、現場ごとに管理していた方も多いでしょう。これをデータ化してクラウド上で一括管理すれば、離れた事務所や他の現場からもリアルタイムでアクセスでき、情報共有が格段にスムーズになります。

また、現場の掲示板の内容更新や役所への申請書類の提出も、オンライン化によって「現地にいなければできない」という常識が覆されつつあります。リモートでの確認・承認が可能になれば、現場の負担が大きく軽減され、移動時間や書類作成にかかる時間を削減できます。

さらに、AIによる議事録の自動作成を活用すれば、会議内容をすぐに文字起こしし、要点を整理してリスト化することも簡単です。これにより会議後の事務処理が大幅に効率化され、現場担当者は本来の仕事に専念しやすくなります。

これにより、リモートワークが可能な環境が整い、子育て中の方やケガなどで出勤が難しい方も建設業務に参画できるようになります。業界の人材確保と活性化にもつながり、現場での負担軽減と人材の多様化が一気に進むのです。

DX導入で大切なのは、「どの業務に、どんな目的でデジタル化を進めるか」を明確にすること。安全管理や品質チェックといった重要業務で、どこにDXを活かすべきかを意識して進めることが、成功へのカギです。

まとめ

業務効率化について、5つの方法を紹介してきました。ここでポイントをもう一度振り返りましょう!

  1. 直接的な業務を減らす
    無駄な業務を洗い出し、まず削れるものを削減します。
  2. 移動時間を減らす
    移動のロスを減らすことで、時間の節約につなげます。
  3. 外注を増やす
    外部に任せられる業務を見直し、専門外の業務はどんどん委託します。
  4. 教育にかかる時間を減らす
    オンラインやe-ラーニングで、教育時間を効率的に短縮します。
  5. 業務の方法を変える
    DXやAIなど新しいツールを活用し、従来のやり方にとらわれない働き方を目指します。

まずは業務を一度すべて棚卸しし、ひとつずつ改善できそうなポイントを挙げていきましょう。そしてそれらを実際に試してみることで、少しずつ業務の負担が軽くなります。取り組みを進めるうえで大切なのは、「大きな改善を一気に」ではなく、「5分でも減る改善を小さく積み重ねる」という考え方です。この積み重ねが、やがて100時間、200時間という大きな削減につながります。

2024年4月からスタートした残業規制に伴い、効率化への本格的な取り組みがますます重要になっています。業界の魅力をさらに高めるためにも、今こそ時代に即した働き方を作り上げていきましょう。

もし、「どこから手をつけていいか分からない」と感じるときは、どうぞ「現場ラボ」へご相談ください。実際にお話を伺い、皆さんの現場に合ったアドバイスをさせていただきます。

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