【建設業】「早く帰れ」と言うだけの時短ハラスメント【働き方改革の失敗事例】

あなたは「働き方改革」の正しい意味を知っていますか?

昨今は、「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになりました。言葉は知ってるけど、詳しい内容はよく分からないという方もいると思います。そんな方でも、「働きすぎという状態を改善すること」くらいの認識はあるのではないでしょうか。

しかし、この改善方法の方向性を間違えてしまうと、逆に労働者を苦しめてしまいます。

建設業でも、人手不足が慢性化していることから、長時間労働が課題となっているのが実情です。長時間労働を是正しようと明確な施策もなしに、ただ早く帰ることだけを強要するという間違った働き方改革をしている会社も少なくありません。

これは立派なハラスメントに値します。

本記事では、「長時間労働」に対して、正しい働き方改革をしていくことの大切さ、また、間違った働き方改革が引き起こす「時短ハラスメント」の危険性についてお話します。働き方改革を進めようと前向きに取り組んでいる会社の方にこそ読んで頂きたい内容です。

これを機に、正しい働き方改革について考え直してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

武田祐樹(たけだひろき)

総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。

現在はオンラインを中心に活動し、中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活動。YOUTUBEや音声配信、インスタグラムなどで情報発信を行い、電子書籍出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動も積極的に行う。

保有資格

  • 1級建築士
  • 1級建築施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士

建設現場生産性向上サポート
HT RaisePLAN 代表 

目次

【ハラスメントの危険性あり】働き方改革の本質は『早く帰ること』ではない

働き方改革の本質を考える

「働き方改革」を考えたとき、最初に手を付けようとする問題は労働時間の短縮という会社が多いと思います。その際、『残業をなくして早く帰りましょう』という施策になりがちですが、果たしてこれは正解なのでしょうか。

長時間労働が問題となっている今、残業をせずに早く帰ることは間違ってはいません。しかし、100%正解とも言えません。その理由について考えてみましょう。

例えば、本日中に終わらせなければいけない膨大な仕事がある場合、早く帰ることができますか?

答えは簡単です。仕事を終わらせなければならないわけですから、もちろん早く帰ることはできません。そんな状況にも関わらず、「残業をせずに早く帰りましょう」と言われれば、どうでしょうか。理不尽だと文句を言いたくなりますよね。

これが100%正解と言えない理由です。

働き方改革の本質は、労働時間を減らすことではなく、労働時間を減らせるような働き方をすることにあります。会社側の立場から言うならば、労働時間を減らせるような働き方ができる環境を整える必要があるということです。

終わらせなければならない仕事は変えずにより効率よくこなすこと、つまり生産性の向上こそが「働き方改革」の本質といえます。

時短ハラスメントとは

時短ハラスメントとは、残業に関する具体策がないまま、上司や会社側が社員に対して、早く帰ることを強要することを指します。

残業をしたくてしている人がどれだけいるでしょうか。早く帰れるなら帰りたいと思っている人の方が圧倒的に多いでしょう。長時間労働をなくすための働き方改革であるはずなのに、労働者がハラスメントと感じてしまう理由はそこにあります。

直接的に「早く帰れ」とは言わずとも、勤怠管理をアプリやエクセルを使って行い、上層部に提出させることも同じです。やらなければいけない仕事があるのに、早く終わらせなければならないプレッシャーを感じざるを得ません。

これらは会社側の理解不足により、「残業時間を減らす」ということだけに焦点が当てられてしまった結果、ハラスメントになってしまっているという現状です。

このように、仕事の内容量は変わらないまま、労働時間だけを削減しようとする、そんな理不尽に時短を要求することが「時短ハラスメント」といわれるのです。

危険な時短ハラスメントを防いで正しい働き方改革を

近年では、様々な言動がハラスメントとして敏感に認識されるようになってきています。

時短ハラスメントを放置する危険性

時短ハラスメントを放置することは会社へ悪影響を与えます。

時短ハラスメントを受けた社員のほとんどは、会社でやりきれなかった仕事を持ち帰ることになります。自宅で行った仕事に対しては、正当な給料が支払われないため、仕事に対するモチベーションは低下する可能性があります。

その結果、生産性が低下してしまいます。

また、この状態が続くと、社員はどうにかして残業をしなくて済むように、手を抜いたり、個人の判断でやらない仕事を決めたりするようになります。

その結果、品質の低下に繋がります。

これは会社として、どこが大事でどこが大事でないかを明確にしていないために起こります。

会社が意図していない部分を減らしてしまうことから、思いもよらぬ形で会社としてのレベルが下がっている場合もあるでしょう。

正しく働き方改革をするために会社がやるべきこと

会社の存続に大きな影響を与えうる時短ハラスメントに対して、会社側はどのような対策をおこなえばよいのでしょうか。

答えは簡単です。早く帰れるための策を明確に提示することです。

明確に提示するためには、現場や働いている人たちの状況をきちんと理解することが大切です。

理解した上で以下のことを目標に策を考えてみましょう。

  • 労働時間だけでなく業務量も減らすこと
  • 業務を効率化すること
  • ひとりあたりの生産性を上げること

どのような策が業務の効率化に繋がるかは、現場によって異なるはずです。同じ品質のものを、時間を掛けずに生み出すにはどうするかを念頭に考えてみるとよいでしょう。

まとめ

「早く帰れ」だけの間違った働き方改革の危険性についてお話しました。労働時間と業務量が見合っていない場合、どれだけ頑張っても時間内に終わらせることはできません。ほとんどの人が、好きで残業をしているわけではありません。残業をしているのには、きちんと理由があるはずです。

そこを加味せずに、無理矢理帰らせることは、仕事が回らなくなり、会社としてのレベルをどんどん下げてしまいます。そして、これは時短ハラスメントに該当します。

単に早く帰らせようとするのではなく、早く帰るために必要なことを考えるべきでしょう。

現場ラボの働き方改革事例は下記をご覧ください。

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