
GENBA Lab.の武田です。中小ゼネコンで現場監督歴17年、所長歴11年の経験があります。
建設業界をもっと働きやすい場所にするために現場効率化事業をスタート。発信活動にも力を入れています。
- 建設業のデジタル化
- 生産性を上げる方法
- 部下の育て方
- 先輩や職人との接し方
- 図面の読み方
- 悩みの解決法
などなど、主に、現場監督目線での配信になります。
上司にとっても若手や新人にとっても、役に立つ配信をどんどんしていきます!
現場監督の働き方、すでに【ジョブ型】

なかなか収束を見せないコロナ禍。当り前だったことができなくなり、意外なものがスタンダードになっていたり。様々なものの価値観が変わりつつあります。
もしこの蔓延が収束したら、世の中は変わっていくのでしょうか?という問いかけ。
これが「アフターコロナ」と言われるものです。そして変わっていくと言われているもののひとつに、働き方があります。
すでに変わってきている企業もありますが、変わらなければ勝ち残れない世界がやってくると言われています。
ところで「メンバーシップ型」と「ジョブ型」という2つの働き方は聞いた事はありますか?
ざっくりだけお話しておきます。
◆メンバーシップ型◆
人を採用してから、仕事を割り振る形式。仕事内容に明確な決まりがなく、みんなでフォローし合いながら仲良く働くという、昔ながらのスタイル。
◆ジョブ型◆
仕事に対して、人を割り振る形式。プロジェクトに対し、必要なスキルをすでに持つ人に割り当てます。限定的な仕事になり、専門性が強い欧米の主流スタイル。
これまでの日本は、完全なメンバーシップ型。ですが、多様化の時代にはマッチしておらず、個人の能力を活かすことができない現状があります。
そこで、これからは個人のスキルや専門性を重視したジョブ型に変わっていくべきというのが、現在の大きな流れになります。これはもう止められないでしょう。
建設業も変わっていくのかなぁ、なんて考えた時、「ん?」と思いました。
【実は建設業って、すでに“ジョブ型”なんじゃ?】
そうなんです。現場監督を起点として、各工種に仕事を割り振る。現場は昔から、ジョブ型をそもそも取り入れている働き方なのです。
鉄筋は鉄筋屋さんに。屋根は板金屋さんに。クロスはクロス屋さんに。
仕事範囲を取り決めて請負とし、その専門性に報酬を支払うという形式。まさにジョブ型の働き方なのです。
外注化という選択肢

「誰にどこまでの範囲を請け負ってもらうのか」を決めているのは、現場監督です。だとすると、「ここは自分でやる」と決めているのも、現場監督という事になります。
現在の現場監督の働き方は、多くの場合「ブラック」です。
そもそも仕事量が多く、処理しきれないほどの物量があり、人手が足りていないという現実があります。
でも、そもそも建設業はジョブ型なわけです。そしてその仕事を振り分けているのは現場監督という事ですよね。
だったら、今「やらなきゃいけない」と思っているその仕事の中から、更に多くの部分を「ジョブ型」にしたらいいのではないでしょうか。と感じるわけです。
例えば「施工図を描く」という仕事。外注に出せませんか?
例えば「写真整理をする」という仕事。外注に出せませんか?
何なら、「現場を管理する」ことだって外注化できる世の中です。
派遣を雇ったり、フリーの現場監督との提携、普通に行われていますよね。あれはまさしく、現場管理の外注化です。
オールマイティーにこなす人材を、新人から育て上げていく。確かに会社のDNAを繋げるためには重要かもしれません。
ですが、時代は変わってきています。2024年までに残業をなくさなければいけないという目標もあるわけです。
まずは人手不足でブラックな状況を打開しなければいけません。そのための手を打つとすれば、今手持ちの仕事を可能な限り外注化して減らす必要があります。
その選択肢の一つとして、今のこのジョブ型の流れを利用していきませんか?というのが、今回の伝えたかったことです。
きっと、これからの働き方のスタンダードになっていくと考えています。