今回の話は「現場監督のこれからの働き方」についてです。
建設業は「ジョブ型雇用」を昔から採用していて、未来的な働き方をしている業界です。
であるなら、業界の課題である「人手不足」を更なるジョブ型雇用=外注化で解消するというのはどうでしょうかというお話になります。
すでにジョブ型雇用だった建設業界

働き方には2種類あります。メンバーシップ型とジョブ型です。
メンバーシップ型雇用
メンバーシップ型の働き方は、採用した人間に対して仕事を割り振っていく働き方です。日本というのは昔からこの働き方が主流になっていて、従業員が企業の一部となり、企業と共に成長することを目的とした雇用形態のことです。
なので、とりあえず会社に配属されて仕事も自分のやりたいことではなく、会社全体の中で戦力が不足してるところに充当して行くというやり方になります。仕事に入社するのではなく会社に入社してそこからの会社のために働いていこうぜというような一致団結するような働き方になります。
ジョブ型雇用
一方でジョブ型雇用とは、従業員が特定の仕事やタスクをこなし、それに対して給与を受け取る形態のことです。従業員は、雇用契約が存在し、それに従ってタスクを遂行します。ジョブ型雇用は、従業員が特定のスキルを持っていることが前提であり、それに対して給与が支払われます。これは企業が特定のタスクを遂行するために必要なスキルを持った従業員を雇用する形態です。
日本はメンバーシップ型でした。仕事ができる人もいればできない人もいるわけです。そのバランスを取って仲良く一緒に同じ釜の飯を食ベてやっていきましょうというスタンスが。日本のメンバーシップ型雇用だったわけです。
欧米諸国は古くからジョブ型を採用していて、仕事ができるならお金払いますっていうような形式をとっていたんです。
そして、今現在では、仕事ができない人のために自分が働いた利益が食いつぶさてるのって理不尽じゃないかっていうの流れが出てきて、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に少しずつスイッチしてきているというのが今の世の中の流れになっています。
建設業は昔からジョブ型雇用
この専門性が重要になるという流れというのは基本的には止めることはできません。世の中はそういう流れにもスイッチして行っておりますので、。スキルがない人は淘汰されてしまうという流れになっていきます。
建設業は・・・と考えたところ、建設業はもともとジョブ型だったことに気が付きました。
現場監督を起点として、各工種に仕事を割り振る。鉄筋は鉄筋屋さんに。屋根は板金屋さんに。クロスはクロス屋さんに。現場は昔から、仕事範囲を取り決めて請負とし、その専門性に報酬を支払うという形式です。
まさにジョブ型の働き方なのです。
周囲の業界はこれからジョブ型雇用を採用していこうとしている中で、建設業界は先取りして昔からジョブ型雇用というものを率先してやってきた業界だったのです。
建設業界の課題を解消するには「外注化」という選択肢も

「誰にどこまでの範囲を請け負ってもらうのか」を決めているのは、現場監督です。だとすると、「ここは自分でやる」と決めているのも、現場監督という事になります。
現在の現場監督の働き方は、多くの場合「ブラック」です。
そもそも仕事量が多く、処理しきれないほどの物量があり、人手が足りていないという現実があります。
でも、そもそも建設業はジョブ型なわけです。そしてその仕事を振り分けているのは現場監督という事ですよね。
だったら、今「やらなきゃいけない」と思っているその仕事の中から、更に多くの部分を「ジョブ型」にしたらいいのではないでしょうか。と感じるわけです。
例えば「施工図を描く」という仕事。外注に出せませんか?
例えば「写真整理をする」という仕事。外注に出せませんか?
何なら、「現場を管理する」ことだって外注化できる世の中です。
派遣を雇ったり、フリーの現場監督との提携、普通に行われていますよね。あれはまさしく、現場管理の外注化です。
オールマイティーにこなす人材を、新人から育て上げていく。確かに会社のDNAを繋げるためには重要かもしれません。
ですが、時代は変わってきています。2024年までに残業をなくさなければいけないという目標もあるわけです。
まずは人手不足でブラックな状況を打開しなければいけません。そのための手を打つとすれば、今手持ちの仕事を可能な限り外注化して減らす必要があります。
その選択肢の一つとして、今のこのジョブ型の流れを利用していきませんか?というのが、今回の伝えたかったことです。
きっと、これからの働き方のスタンダードになっていくと考えています。