【建設業の働き方改革】現場監督のリモート化に本気で取り組もう【8つのメリットを紹介】

世の中が働き方改革を進める中、リモート化が各業界で注目を集めています。しかし、リモート化に興味はあるものの、「難しそうだし、本当にメリットがあるのかな?」とネガティブな印象を抱く人も多いのも事実です。

そんな中、私はある現場で、現場監督のリモート化を実施し、大成功を収めることができました。この経験を通じて、現場監督のリモート化には8つのメリットがあることを実感しました。

この記事では、私の経験を元に、現場監督のリモート化のメリットについて詳しくご紹介します。ネガティブな印象を払拭し、現場監督のリモート化に悩んでいる方々の背中を押せるような内容をお届けしたいと思います。ぜひ最後までお読みください。

この記事を書いた人
腕組みをする運営者

武田祐樹(たけだひろき)

総合建設業に17年在職し、官民問わず数多くの実績を積む。

現在はオンラインを中心に活動し、中小企業デジタル化応援隊事業(中小企業庁)のIT専門家としても活動。YouTubeや音声配信、Instagramなどで情報発信を行い、電子書籍出版やオンライン講師、オンラインセミナー活動も積極的に行う。

2023年3月には、建設業の現場効率化の仕掛け人としてAbemaPrimeに出演

保有資格

  • 1級建築士
  • 1級建築施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士

建設現場生産性向上サポート
HT RaisePLAN 代表 

目次

現場監督のリモート化とは

現場監督は貴重な資格を持つ人材であり、その数も限られています。彼らは多くの仕事をこなさなければならず、通常は毎日現場に出向く必要があります。しかし、この状況にはいくつかの問題も存在します。現場に出向くためには移動時間がかかるだけでなく、交通事故のリスクも伴います。

しかし、実際には現場監督が毎日現場に出向く必要はありません。彼らの業務の中には、現場に出向かずに遂行できるものも多く存在します。

私自身も、この現場監督のリモート化の可能性に注目し、実際に試してみました。現場の効率化を目指し、現場監督は週の半分を在宅で過ごし、半分を現場に出向くという働き方を取り入れました。現地にはスタッフが2.5名(所長はタッチはしていないが現場にはいたので0.5換算)配置されました。

この試みにより、2100時間もの時間を削減する大きな成果を得ることができました。その結果、新聞にも取り上げられ、さまざまな方々から関心を寄せていただくようになりました。

現場監督のリモート化には、業務時間削減以外にも多くのメリットがあることを感じました。それらのメリットについても、ご紹介させていただきます。

現場監督をリモート化する8つのメリット

メリット① 無理なく現場のかけもちができる

施工管理は多岐にわたる業務をこなす必要があります。確かに、お客様との信頼関係を築くためには現場に出向くことが必要ですが、幸いなことに、施工管理の業務にはリモートで行える作業もたくさん存在します。

これらの現場に出向かなくてもできる作業をリモート化するだけでも、大幅な業務時間の削減が可能です。現場への移動時間は無駄に感じませんか?実は、この移動時間を他の業務に充てることができれば、さらなる効率化が期待できます。現場のかけもちは前向きに検討すべきアプローチです。

また、施工管理の資格を持つ人材は限られており、人手不足が深刻な状況です。そうした中で、現場をかけもちできる施工管理者が存在することは大きなメリットと言えます。

施工管理の業務においては、現場に出向くことも重要ですが、リモート化や現場のかけもちによって業務時間を削減し、限られた人材を効果的に活用することが求められています。

メリット② 社内で助け合いができる


現場では数多くの職人が作業に取り組んでいます。そして、その作業をまとめる役割を果たしているのが施工管理者です。施工管理は責任が重く、業務量も多いですが、現場では孤立しがちです。

現場では他の誰かに頼ることができず、ひとりで多くの負担を抱えることがあります。しかし、リモートで行える業務があることを知れば、状況は変わるかもしれません。

現場にいなくてもできる業務を社内の他の人に任せることができるのです。業務の一部を他のチームメンバーに委ねることは、施工管理の働き方改革にもつながり、大きなメリットをもたらすでしょう。

施工管理者がリモートできる業務を見つけ、それを他のメンバーと共有することで、より効率的なチームの運営が可能になります。そして、施工管理者自身も負荷を軽減し、より重要な業務に集中することができるのです。

メリット③ 多様な働き方ができる

ここまでお話してきたように、施工管理の仕事には現場に出向かないとできないものと、現場でなくてもできることがあり、現場に出向く必要のない業務をリモート化することは、ひとりで業務を抱え込まなくてよい環境づくりに繋がります。

そして、それは社内の人間にとどまらず、外部の人間に任せることだって可能なのです。

つまり、怪我をしてしまった人や子育てしている人、他県に住んでいる人のように現場に出向くことができないような立場の人であっても、副業という形でこなすことができるのです。

このように、現場監督のリモート化は、あらゆる人をチームに取り組むことができるという大きなメリットをもちます。

メリット④ 働き方を選択することができる


現場監督のリモート化には、働き方の選択肢が広がる大きなメリットがあります。

人は得意不得意があります。得意なことには積極的に取り組みたいですが、不得意なことには気が進まないこともよくあります。

現場監督のリモート化は、業務を細分化し、それぞれの業務を誰がどのように担当するかを考えることから始まります。全ての業務を一人でこなさなければならないわけではなく、一つの現場に限定されないという制約もありません。

つまり、得意な人が得意なことに集中し、自分の強みを生かした働き方が可能です。得意な業務に取り組むことで、作業のスピードを上げたり、ミスを減らすことができるなど、多くのメリットがあります。

例えば、「得意な業務のみを複数現場で担当する」という働き方も現場監督のリモート化ならではの選択肢です。

リモート化によって、自分の得意な分野で活躍し、効率的に仕事を進めることができるのです。

メリット⑤ 簡単に副業ができる

メリット③、④では、現場監督のリモート化は業務の多様化につながり、自分らしい働き方ができるとお話してきました。

このように分業することで、業務時間の削減が可能です。

そして、業務時間が落ち着いてきたら副業として他の現場の業務も手伝おうかな、なんて思えるかもしれません。

施工図を書くことが好きな現場監督にとって、様々な現場の施工図を書くことができるのはワクワクするはずです。

そして、それが第2の収入源になるとしたら、そんなうれしいことはありませんよね。

メリット⑥ 技術の活性化につながる

建設業界には、すごい技術をもった人がたくさんいるのですが、業界の特性上、技術が仕入れ辛くガラパゴス化してしまっています。

しかし、施工管理をリモート化し、多様な働き方を受け入れることで、技術を交換することが可能になるのです。

多様な働き方を受け入れ、普段一緒に働くことがないような人とチームになることは、学びや刺激も多いと思います。

技術を共有しあうことで業界が活性化する、これは建設業にとって大きなメリットでしょう。

メリット⑦ 業界の魅力がUP

建設業界のイメージはきつそう、大変そうと、決して良いものとはいえません。

しかし、建設業もリモート化ができる、家にいるのにものづくりができる、子育てしながらでも建設の仕事ができるとなればどうでしょうか。

魅力的と感じる人は多いはずです。

リモート化を促進することで、建設業のイメージが一新できるのです。

私も含め、業界愛のある技能者、技術者にとって、建設業界に魅力を感じてもらえることほどうれしいことはないでしょう。

メリット⑧ 人手不足を解消できる

建設業界では、人手不足が深刻な課題となっています。しかし、施工管理のリモート化は、場所や人に制約を受けずに協力できる環境を構築することができます。

施工管理の業務には、施工管理の資格を持っていなくても行える事務作業も存在します。これらの業務を外部に委託することで、施工管理の業務削減につながります。また、異なる職種の人々にもアプローチできるため、採用の幅も広がります。

一人で多くの業務を抱え込むのではなく、多くの人々に分担させることで、施工管理の仕事を効率的に遂行することが可能です。これは、人手不足という課題を克服するための重要な突破口となるでしょう。

現場監督をリモート化:重要なのは本気度

現場監督をリモート化:重要なのは本気度

建設業界は、デジタル化が進まず、他の産業と比べて遅れをとっているとされています。また、リモートワークの試験導入も多くの企業で失敗に終わったという現実があります。この失敗の原因は、臨場感の欠如と真剣に取り組む意識の低さにありました。ただし、これらの課題に真剣に向き合い、柔軟性と本気度を持つことが、建設業界が将来の変化に備えるための重要な要素となっています。

リモートワークの試験導入では、多くの会社が問題に直面しました。社員たちは、「家で仕事なんてできるわけがない」といった意見を述べ、リモートワークはただのずる休みだとの見解も広がりました。このような状況では、本気で取り組む意識を持つことはありませんでした。何かあれば現場に行けばよいし、数日後には現場に行く予定だからといった考え方が、取り組みの意欲を削いでしまったのです。こうした課題を克服するためには、リモートワークのルールを厳格にし、真剣な取り組みを促す必要があります。

具体的には、リモート中に現場や会社に行くことを罰則とするルールを設けることが考えられます。また、仕事を絶対に送らせないという規定を設けることも重要です。これにより、リモートワークを真剣に取り組む環境を整えることができます。さらに、試験導入を1か月間継続することで、十分な期間を設けて検証を行うことが必要です。

現在の状況や将来の不確実性に対応するためには、柔軟性と本気度が求められます。建設業界がデジタル化やリモートワークなどの変革に真剣に取り組むことが重要です。そのためには、学び、行動し、本気で前進する姿勢が必要です。時間をかけて取り組むこともあるかもしれませんが、重要なのは「本気度」です。本気にならなければ、実のある行動はできませんし、成長や対応力も身につきません。

まとめ

現場監督のリモート化には、多くのメリットがあります。そして、デメリットが少ないのも特徴です。

現在の状況や将来の不確実性に対応するためには、柔軟性と本気度が求められます。建設業界がデジタル化やリモートワークなどの変革に真剣に取り組むことが重要です。そのためには、学び、行動し、本気で前進する姿勢が必要です。

時間をかけて取り組むこともあるかもしれませんが、重要なのは「本気度」です。本気にならなければ、実のある行動はできませんし、成長や対応力も身につきません。

さあ、一緒に建設業を変えていきましょう。

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