2024年から施工される建設業の残業上限規制を目の前に、建設業界でも様々な「働き方改革」が実施されています。
しかし、これまで強く根付いてきた働き方があるために、なかなか上手く進んでいないのも事実です。
「働き方改革」の一手として新しい制度を取り入れてみたけど、ほとんど使われていないというケースもよく見られます。
本記事では社員が一丸となって「働き方改革」を進めていくために知っておきたい問題点や解決策についてお話しています。
「働き方改革」を進めていこうと考えている会社の上層部の方にはぜひ読んでいただきたいと思います。

働き方改革で直面している問題

「働き方改革」が必要なのは言うまでもないのですが、進め方次第で成功に繋がるか、失敗に終わるかが分かれてきます。
大切なのは、社員がひとつになって改革をするという意識をもつことだと思います。
しかし、進んで「働き方改革」を進めたい経営陣と仕方なく「働き方改革」を進めなければならないと感じている従業員の間には意識のズレが生じています。
社員がズレを感じているうちは、どれだけ良い施策をうったとしても、社員はついてきません。
では、どのような理由でズレを感じているのかみていきましょう。
社員がついてこない理由

理由①そもそも業務量が多いから
これを理由にしてしまっては、働き方改革が上手くいかないのも無理のない話なのですが、業務量が多すぎて「働き方改革」のことまで考える余裕がないというのはよくある話です。
業務量削減のために「働き方改革」を進めなければならないのに、業務が多すぎることで進めるどころか、始めることすらできないというのが原因です。
風船に例えると、空気(業務)がいっぱいあるところに、新しい空気(働き方改革のための知識)を入れてしまうことと同じです。
たとえ、新しい空気がどれだけ良いものだとしても、風船はしぼむことはなく破裂してしまうでしょう。
これと同じで、業務を削減するための知識だとしても、キャパオーバーのところに入れるというのは無理な話なのです。
理由②業務が減るイメージがつかないから
「働き方改革」に対して、前向きでない人がよく言う「やって意味あるの?」という言い分。
やってみてから言ってほしいと思うのですが、理由①にもあったとおり、そんな余裕がないのです。
やらなきゃ上手くいくわけがないのに、やらないという選択をする。やらない選択をしたから上手くいかないだけなのに、やっぱり上手くいかないと嘆く。
このような負のループに陥っているにも関わらず、そんなことにも気づかず、「働き方改革」に手を出せない状態が続いてしまっているのです。
理由③成功の実例がないから
現代では、どんなこともネットでリサーチすればすぐに解決してしまう時代です。
しかしネット上の情報は、少人数の意見をまとめただけのものや根拠のないものも多く存在します。
そんな薄っぺらな情報でも、そこに「こんな働き方改革は意味がない」とあれば、私たち人間はそうだと信じてしまうのです。
つまり、やらない理由はいくらでも見つかってしまう世の中なのです。
それに加えて、わたしたち人間は新しいことを始めるのが苦手な生き物です。
新しいことを始めるには、労力がいります。今までどおりのこと、なんとなくしている方が楽なのです。
そんな私たちがネットで「働き方改革」について調べ、成功事例にたどり着ける確率はものすごく低いでしょう。
働き方改革の問題点の解決策
「働き方改革」に社員がついてこない理由として3つ挙げてきました。
これらの原因を全て解決するために、まずは、③を解決し成功事例をつくることからはじめましょう。

成功事例によって業務削減のイメージがつくようになり「働き方改革」が促進され(②が解決)、業務量が実際に減っていく(①が解決)というのが理想です。
「働き方改革」の成功事例をつくるには、1つの現場に絞ってでもピンポイントに取り組み、とにかく、ある現場で成功したという結果を残しましょう。
「働き方改革」の施策をピンポイントに設定することで、イメージが湧きやすくなります。
また、業務量が多すぎて「働き方改革」のことを考える余裕がないという問題点については、とにかく業務を再度洗い出して、なくせる業務をなくして効率化を目指しましょう。
このときのポイントとしては、やらなくてもよい業務を探すのではなくて、やった方が良いと思って+αでやっている業務を探すと見つかりやすいでしょう。
まとめ

せっかく「働き方改革」をするのであれば、関係する社員が一丸となって進めていきたいものです。
そのためには「働き方改革」は意味があるものと分かってもらうことが大前提です。
社員がついてこないと嘆くのではなく、いかにすばらしいものか、魅力的に見せる努力を根気強くしてみてはいかがでしょうか。
今回紹介した3つの理由をクリアすれば、社員のみんなもきっとついてくるはずです。